奴隷となっている何百万もの私の同胞が救出される
うれしい日が早く来ることを真剣に心より願い、
私の小さな努力が成功するように、真実と愛と正義の力を
固く信じつつ、この聖なる大義に新たに自分を捧げると
厳粛に誓って、ここに署名する。
フレデリック・ダグラス
マサチューセッツ州リンにて
一八四五年四月二八日
奴隷として生まれ、独学で読み書きを覚えた
過酷な半生を描く!
19 世紀前半の20 年間、「人間性」を破壊する
奴隷制に抗って生き、ついに逃亡に成功するまでの、
ダグラスが「人間として生きた」苦難の道のり。
本書は、ダグラスをはじめとする「奴隷」たちばかりか、
「奴隷」を所有する人々をも浮き彫りにして、「奴隷制」
の本質を描き出す貴重な記録でもある。
19 世紀半ばに書かれながら、今でもアメリカで
多くの人々に読み継がれるのは「人間として生きる」ことが、
洋の東西を問わず、現在でも切実な問題であり、
常に問われているからだろう。
フレデリック・ダグラス(フレデリック ダグラス)
Frederick Douglass.(1818- 1895)
樋口 映美(ヒグチ ハユミ)
(ひぐち はゆみ)
専修大学教授(アメリカ社会史、人種関係史)。
著訳書に『アメリカ黒人と北部産業』(単著)、
『アメリカ黒人姉妹の一世紀』(訳書)、
『奴隷制の記憶』(訳書)、
『貧困と怒りのアメリカ南部』(訳書)、
『アメリカ公民権の炎』(訳書)、
『歴史のなかの「アメリカ」』(共編著)、
『流動する<黒人>コミュニティ』(編著)、
『<近代規範>の社会史』(共編著)他。
専修大学文学部歴史学科 南北アメリカ史研究会(
(せんしゅうだいがくぶんがくぶれきしがっか なんぼくあめりかしけんきゅうかい)